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2025.10.13

【書店員おすすめ】本が苦手でも読める!又吉直樹×ヨシタケシンスケ『本でした』

こんにちは。サルーテ代表の嶋内です。

今回から、文正堂書店の平野さんと一緒に「Enjoy Books」というコーナーをスタートします!今まで出会わなかった本、興味はあったけど読む勇気がなかった本など、いろいろな本に出会っていただきたい。そんな思いで、このシリーズを始めることにしました。

本を読む人が減っている現状

平野さんによると、書店に足を運ぶ方は年々減少しているそうです。特に、紙の本を貴重な娯楽として楽しんできた年配の世代が減ってきていることに加え、スマートフォンやパソコンなど、娯楽の選択肢が多様化していることが大きな要因とのこと。

確かに、映像やネットで簡単に情報を得られる時代。でも、自分で検索すると、どうしても自分の好みのものしか見つけられないんですよね。ミステリー好きならミステリー、歴史好きなら歴史と、同じジャンルや同じ作家ばかりに偏ってしまう。

実は、自分が出会っていない素晴らしい本って、たくさんあるんです。

書店員さんに聞いてみよう

文正堂書店は、コミュニティを大事にする本屋さん。「この本が好きだけど、これに近いものってありますか?」と聞けば、新しい発見につながる本を紹介してくれます。

セルフで選ぶだけでは分からないことを、書店員さんに聞くことで、新たな世界が広がるかもしれません。

スマートフォンの情報や動画で済ませてしまいがちな今、本屋さんに来ること自体が少なくなっているそうです。平野さんも「おすすめしたくてもおすすめできない状況で悔しい」と話していました。

だからこそ、この「Enjoy Books」を通じて、本当は面白い本がたくさんあることを知っていただきたいのです。

今回のおすすめ本『本でした』

記念すべき第1回で平野さんが紹介してくれたのが、又吉直樹さん×ヨシタケシンスケさんのコラボ作品『本でした』です。

お笑い芸人で芥川賞作家でもある又吉直樹さんと、絵本作家として有名なヨシタケシンスケさん。この2人のコラボ第2作目となる作品で、ポプラ社から出版されています。少し前にはNHKの番組で又吉さんが紹介していたこともあり、話題になった一冊です。

あらすじ

村外れに住み着いた2人の男が、小さな看板を出します。

「バラバラになってしまった本や破れてしまった本でも、特殊な技術や機械を使って元に戻します。それどころか、この本の1ページ、1行、タイトルだけでも、その本を復元します」

村人たちが「こんな本だったような…」「1ページ目にこんな単語があった」という情報だけで依頼を出すと、本はどんどん復元されていきます。そして徐々に、その復元の秘密が明らかになっていく…というストーリー。

この本の魅力

1. 絵がたくさんで読みやすい

ヨシタケシンスケさんの独特な差し絵がたくさん入っており、本が苦手な人でもスラスラ読めます。かなり厚みのある本ですが、文字だけではないので安心です。

2. 短編形式で読みやすい

27個の復元された本のエピソードが収録されており、1つ1つが短いので、読みたいところから読み始められます。すぐ読めるエピソードもあれば、少し長めのお話もあって、読み応えも十分。

3. 又吉さんらしい言葉のセンス

「息も生きるための呼吸」「孤独が友達」といった、心に響く言葉が散りばめられています。また、桃太郎のお話を鬼の側から見たらどうなるか…など、ヨシタケさんの想像力の鋭さも光っています。

4. 本への愛情が詰まっている

この本からは、お二人の本への愛情がひしひしと伝わってきます。本を好きになる気持ちが、読んだ人から次の人へとバトンのように繋がっていく。そんな「愛情のバトン」がテーマになっています。

こんな人におすすめ

  • 本を読むのが苦手な方
  • 1冊を読みきれないという方
  • 久しぶりに本を読んでみようかな、という方
  • もちろん、本好きの方にも!

平野さんは「これなら読めた!という達成感から、次の本にも挑戦してもらえたら。本を好きになってもらう心が、どんどんみんなに繋がってもらえればいいな」と話していました。

まとめ

本との出会いは、新しい世界との出会いです。

『本でした』は、本が苦手な人にこそ手に取ってもらいたい、本を好きになるきっかけをくれる一冊。ぜひ書店で手に取ってみてください。

そして、もし気になる本があったら、遠慮なく書店員さんに声をかけてみてくださいね。きっと素敵な出会いが待っているはずです。


次回の「Enjoy Books」でも、平野さんと一緒に新しい本をご紹介していきますので、お楽しみに!

文正堂書店の平野さんのインタビュー記事はこちら