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2026.04.02
加圧スタジオTH 代表・今村隆史さんインタビュー|生きていく上でのヒントを探る
「体力があると、人生のいろんなことが順調に回るようになってくる」
愛知県一宮市で加圧トレーニングスタジオ「加圧スタジオTH」を経営する今村隆史さん。喘息を抱えた肥満児だった少年時代から、独自の「今村式加圧トレーニング」を確立するに至るまでの歩みには、体と心の健康に向き合い続けた深い経験があります。今回は、サルーテの理念であるウェルネス・ウェルビーイングの観点から、今村さんの人生哲学や健康への考え方についてお話を伺いました。

マラソン大会でビリを争った少年が、優勝!!
「小学生の時はすごい肥満児で。マラソン大会はビリを争うような感じで、みんなはこんなに走っても息が切れないのに、なんで自分はこんなに死ぬ思いをしてるんだって思いながら走ってましたね」
そう語る今村さん。喘息持ちだった子どもの頃は、運動しようとするとぜいぜいと息が上がり、ポテトチップスとコーラとテレビゲームが友達。動けないからこそ太り、太るから動けない——そんな悪循環の中にいたと言います。
転機は中学校の入学。お兄さんがいたテニス部に入部したものの、当然のように体はついていきません。そこで大きな役割を果たしたのが、仲の良い友人の存在でした。
「毎朝、仲のいい友達がうちの前で待ってくれるようになったんですよ。母親に『外で待ってるよ、早く行きなさい』と言われて、部活に行き始めて。そしたらどんどん体が引き締まっていきました」
重い腰を上げさせてくれる人の存在が、今村さんの人生を大きく変えました。体が変わるにつれ、テニスの腕前も上がっていきます。「人が嫌がるところに打てば点が取れる」と気づいた今村さんは、そのコツをつかんで四日市で優勝するまでになりました。
25歳を過ぎて、再びお腹が出てきた
中学で体を作った今村さんも、20代になると食への愛が勝りはじめます。「食べるのが大好きなんで、20代初めまでは体型を保てていたんですが、25歳を過ぎたあたりからお腹がどんどん出てきて」。スポーツブランドで働いていたこともあり、これはまずいと感じていた頃、知人が加圧トレーニングをしていることを知ります。
「試しに始めたら、2ヶ月で8キロ痩せて体がめちゃめちゃ引き締まったんです。加圧トレーニングってこんなにすごいのかって。そこからずっと続いていますね」
この体験が、のちにスタジオ開業へとつながるきっかけになりました。

「健康な体」は、自分だけでなく家族の人生も豊かにする
今村さんが健康に対してひときわ強い想いを持つ背景には、プライベートな事情もあります。
「結婚が遅くて、子供がまだ6歳なんですよ。僕は48歳ですが、子供と一緒にスノーボードに行っても、体力があれば子供のやることをちゃんと待てるんです。疲れていないから余裕があって、子供に対してイライラしない。子供の自発的な行動にもつながっていく」
また、義母の足が悪くなってからいろんなところへ行けなくなってしまったという経験も、今村さんの考え方に影響を与えています。「健康な体、ちゃんと動けるということは、自分の人生だけじゃなく、家族の人生も豊かにするためにすごく重要だと思っています」
体力があるとイライラしにくい——この言葉は、今村さん自身が実感として感じてきたことです。疲れている時に人は怒りやすくなる。逆に言えば、体の余裕が心の余裕を生むということ。「自分の人生を最後に振り返った時、よかったと思えるかどうか」を常に意識しているという言葉には、深い説得力がありました。
「着替えたら、あとは体が動く」——無理なく続けるための小さな仕掛け
今村さんが提唱する「今村式加圧トレーニング」の核心のひとつが、「続けること」です。週2回のトレーニングを長年続けてきた今村さんに、その秘訣を聞きました。

「まずトレーニングウェアに着替えます。そうすると、このウェアを洗濯で汚さずに済ませるのはもったいないという気持ちになって(笑)。着替えたら、試しに1回動いてみようという気分になる。やり始めると、どうせやったんだから最後までやろうという気分になってくるんですよ」
「最初の一歩さえ踏み出せれば、あとはトントンと進む」——多くの人が共感するこの感覚を、今村さんは「着替える」というごく小さな行動でクリアしています。完璧なやる気や決意を待つのではなく、体を動かし始めることで気持ちがついてくるという発想です。
また、48歳になった今も「自分の体の変化を感じながら調整している」と言います。若い頃と同じトレーニングを続けるのではなく、体のサインに耳を傾けながら柔軟にアプローチを変えていく。この姿勢もまた、長く続けることができる理由のひとつかもしれません。

9割が女性。時間帯で変わる、多様なお客様たちの物語
スタジオに通う方々の顔ぶれも、今村さんの話から生き生きと浮かび上がりました。
「女性が9割、男性が1割くらいで、時間帯によって全く年齢層が変わります。朝は、お子さんを幼稚園や小学校に送り出してからトレーニングに来られるお母さんが多い。産後で体型が崩れた方が、仕事復帰までに体を整えに来られることも多いですね。昼間から夕方は40〜60代の方が多くて、夜は会社帰りの方が来てくれます」
通った後の変化としてよく聞かれるのは、体重や体のラインの変化、服のサイズダウンといったダイエット効果だけではありません。「血流が良くなるので肩こりや冷え性、腰痛が改善したという方がとても多い。血液検査の数値が良くなったと笑顔で報告してくれる方もいます」

ダイエットに何度も失敗してきた人へ——「原因は別のところにある」
「人に頼っていいと思います」
何度もダイエットに挫折してきた人に対して、今村さんが最初に伝えるのはそひとことです。「自分との約束は破りやすくても、人との約束はちゃんと守れるという方も多い。だから、人に頼ることはちっとも恥ずかしくない」
さらに今村さんが指摘するのは、「食べすぎてしまう原因が、食欲ではなくストレスにある場合が多い」ということです。育児や家事で追われているお客様には、「もっと家事を楽にしましょう」とアドバイスすることもあります。ロボット掃除機、乾燥機付き洗濯機の活用、2分でできる簡単な料理の準備——体を変えるためのサポートが、必ずしもトレーニングだけとは限らない。生活全体を見渡した伴走者としての姿勢が、今村さんのスタジオが支持される理由の一つかもしれません。

「本当に自分にとって幸せなことか」を問い続ける
トレーナーとして大切にしている価値観を尋ねると、今村さんはこう答えました。
「一人ひとりが自分の人生を豊かにするということを頭に置いています。人の意見や見た目、他人の価値観で自分の行動を決めていないか、本当にそれは自分にとって幸せなことなのかを、ちゃんと考えて向き合えるようにサポートしたい」
誰かのための体づくりではなく、自分自身の人生を豊かにするための体づくり。今村さんが目指すのは、そういった本質的な意味での健康です。

ウェルビーイングな生き方のヒント
今村さんとの対話を通して見えてきたのは、心と体の健康を長く保つためのシンプルな原則でした。
- 人の力を借りること:一人でできなければ、誰かに頼る。それは弱さではなく、賢さ。
- 小さな一歩を仕組み化すること:やる気を待つのではなく、行動が気持ちを連れてくる。
- 体の変化を感じ続けること:年齢に合わせて柔軟に調整し、同じことを惰性で続けない。
- 根本の原因を見つけること:問題の表面だけでなく、その奥にあるストレスや生活習慣まで目を向ける。
- 自分にとっての幸せを問い続けること:他人の基準ではなく、自分の人生の豊かさを軸に置く。
肥満児だった少年が、喘息と向き合いながら自分の体を変え、今では多くの人の体と人生をサポートする場所を作り上げた。その歩みそのものが、「続けることの力」と「人と関わることの大切さ」を証明しているように思えました。

今村隆史(いまむら・たかし) 加圧スタジオTH代表。愛知県一宮市に店舗を構え、独自の「今村式加圧トレーニング」を通じてダイエットや体力向上、健康改善をサポート。NSCAパーソナルトレーナーの資格を持ち、解剖学や障害者へのトレーニング方法も学んだ経験を活かした個別指導に定評がある。「自力で動ける人生のサポート」をモットーに、体だけでなく生活全体を見渡したアドバイスを提供している。
店舗情報 加圧スタジオTH
- 一宮神山店:愛知県一宮市神山3-10-16
- 公式サイト:https://studio-th.jp/