こんにちは。サルーテです。
心地よい涼しさが訪れる秋は、美味しい食材が市場に溢れ、ついつい食べ過ぎてしまう季節です。
しかし、なぜ私たちは秋になるとこんなにも食欲が増すのでしょうか？
この記事では、「食欲の秋」という言葉の起源や由来や、秋に食欲が増す理由、
そしてこの季節にぜひ味わいたい代表的な旬の食べ物をご紹介します。
実りの季節を楽しみながら、秋の味覚を存分に堪能しましょう。
食欲の秋とは？起源や由来を紹介
「食欲の秋」という表現は、日本において古くから親しまれてきた言葉ですが、
その背景には日本の豊かな自然と文化的な変遷があります。
1. 収穫の秋と豊富な食材
「食欲の秋」の最も直接的な由来は、日本の豊かな気候と農業にあります。
秋は、稲刈りが行われるまさに「収穫の季節」です。
新米が出回り、一年で最も美味しいお米が手に入るだけでなく、
夏の日差しをたっぷり浴びて実った栗、さつまいも、柿、ぶどうといった農作物が収穫期を迎えます。
さらに、魚介類も産卵や越冬に備えて栄養を蓄えるため、サンマ、サケ、カツオなどが旬となり、脂が乗って格別の美味しさになります。
このように、秋は文字通り「実りの季節」であり、美味しいものが市場に溢れることから、「食欲が増す」と表現されるようになったのです。
2. 歴史的な「飢餓への備え」の感覚
現代のように一年中食材が手に入らなかった時代、冬は食糧が少なくなる「飢餓の季節」でした。
秋に美味しいものをたくさん食べ、体に栄養と脂肪を蓄えることは、厳しい冬を乗り越えるための本能的な準備でもありました。
この歴史的な感覚が、現代にも「秋はたくさん食べる季節」という意識として残っていると考えられます。
秋に食欲が増す理由
食欲の秋は単なる文化的な側面だけでなく、私たちの体のメカニズムや脳の働きによっても裏付けられています。
1. 気温の変化と基礎代謝の維持
夏の暑さが和らぎ、気温が低下し始めると、体は体温を維持しようと働きます。
そのため、基礎代謝が上がり、熱を生み出すためのエネルギーをより多く必要とするようになります。
このエネルギーを補給しようとして、自然と食欲が増進します。
2. 日照時間の短縮とセロトニンの減少
秋になり日照時間が短くなると、脳内で分泌される神経伝達物質の一つ「セロトニン」の量が減少しやすくなります。
セロトニンは、精神の安定や幸福感に関わるホルモンであり、食欲を抑制する作用も持っています。
セロトニンが減少すると、食欲が増進しやすくなり、特に精神的な満足感を得るために甘いものや炭水化物を求める傾向が強くなります。
これは、セロトニン不足を補おうとする体の自然な反応だと考えられています。
3. 豊富な旬の食材による刺激
秋の旬の食材は、他の季節に比べて香りや風味が豊かです。
例えば、焼きサンマの香ばしさや、松茸の独特な香りなどは、嗅覚を通じて脳を刺激し、食欲中枢を活発にさせます。
美味しいものを五感で感じることが、さらなる食欲の増加に繋がります。
代表的な秋の食べ物といえば？
秋の味覚は非常に豊富ですが、特に栄養価が高く、旬の美味しさを堪能できる代表的な食材をご紹介します。
■ 魚介類 〜脂が乗り、栄養満点〜
①秋刀魚
旬のサンマは、DHAやEPAといった良質な不飽和脂肪酸を豊富に含みます。
これらは血液をサラサラにする効果があり、生活習慣病の予防に役立ちます。
②鮭
産卵期に向けて身に栄養を蓄えます。
特に、強い抗酸化作用を持つアスタキサンチンを豊富に含み、美容やアンチエイジングにも効果が期待できます。
■ 野菜・芋類 〜食物繊維とビタミンが豊富〜
③サツマイモ
豊富な食物繊維が腸内環境を整え、便秘解消に役立ちます。
また、加熱しても壊れにくいビタミンCも含まれており、美肌効果も期待できます。
④キノコ類（マイタケ、シメジなど）
カロリーが低く、食物繊維とビタミンDが豊富です。
特にビタミンDはカルシウムの吸収を助け、免疫力向上にも貢献します。
■ 果物 〜適度な甘さとポリフェノール〜
⑤ぶどう
皮や種に強い抗酸化作用を持つポリフェノールが豊富に含まれており、疲労回復やアンチエイジングに効果的です。
⑥柿
ビタミンCが非常に豊富で、風邪予防や美肌に役立ちます。
また、二日酔いの原因となるアセトアルデヒドを分解する酵素の働きを助ける成分も含んでいます。
まとめ
「食欲の秋」は、日本の豊かな収穫文化と、気温低下による基礎代謝の向上、
そして日照時間短縮によるセロトニン減少という体のメカニズムが複合的に作用して生まれる現象です。
この季節は、体が栄養を求める時期です。
サンマ、サツマイモ、キノコ類など、旬の食材は栄養価が高く、健康と美容に嬉しい効果がたくさん詰まっています。
秋の恵みに感謝しながら、旬の味覚を意識的に取り入れることで、
美味しく、そして健やかに冬に備える体づくりを楽しみましょう。