こんにちは。サルーテです。
冬になると、「寒い！」という感覚以上に、私たちの体は多くの健康リスクにさらされます。
特に気温が急激に下がる冬は、高齢者だけでなく現役世代にとっても、血管や心臓に大きな負担がかかる季節です。
生活習慣が乱れやすく、気付かないうちに体調を崩していることも少なくありません。
この季節は、命を守るための戦略的な健康管理が求められます。

この記事では、冬に急増する「ヒートショック」や脳卒中といった血管トラブルの具体的な原因、冬特有の生活習慣が招くリスクをご紹介します。

「寒い！」が引き金に？冬に急増する血管のトラブル

寒さは血管を収縮させ、血圧を急激に上昇させるため、心臓や脳の血管に大きな負担をかけます。
この寒さこそが、冬の血管トラブルの最大の引き金となります。

①温度差が心臓を襲う「ヒートショック」とは

ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、心臓や血管に異常をきたす現象です。
特に暖かいリビングから寒い脱衣所へ移動し、その後熱い湯船に浸かる際などに起こりやすいとされています。

この現象のメカニズムは、寒い場所で血管が縮んで血圧が急上昇し、熱い湯船で一気に血管が広がって血圧が急降下するという、
この急激な乱高下が、失神や不整脈、脳卒中、心筋梗塞といった命に関わる事故を引き起こします。

②血管が詰まる！脳卒中・心筋梗塞のリスク増大

冬は寒さで血管が常に収縮している状態が続くため、血圧が高い状態になりやすいです。
また、脱水傾向になることで血液の粘度が増し、血栓（血の塊）ができやすくなります。
この血栓が脳の血管を詰まらせれば脳梗塞（脳卒中）、心臓の冠動脈を詰まらせれば心筋梗塞を引き起こします。
冬場は特に、起床後や入浴中など、血圧が変動しやすい時間帯にリスクが高まります。

コタツでゴロゴロは危険信号？冬の生活習慣が招くリスク

冬は活動量が減り、食生活が乱れやすくなるため、血管トラブル以外の健康リスクも高まります。
この時期特有の生活習慣が、知らず知らずのうちに体に負担をかけています。

運動不足、食生活の乱れと糖尿病リスク

「寒くて動きたくない…」とコタツで過ごす時間が増えると、運動不足に陥ります。
運動不足は、血糖値を下げるインスリンの働きを悪くし、糖尿病リスクを高めます。
さらに、忘年会や年末年始の高カロリー・アルコール、お餅、濃厚な鍋料理などの高脂質の食事が増えることで、
血糖値やコレステロール値が急激に悪化しやすくなります。
この高カロリーな食事と運動不足の組み合わせは、まさに生活習慣病の引き金となります。

夏だけじゃない！冬でも起こる「かくれ脱水」の罠

冬は汗をかかないと思われがちですが、暖房や厚着によって皮膚から水分が蒸発しており、
自覚のないまま体内の水分が失われる「かくれ脱水」に陥りやすいです。

喉の渇きを感じにくいため水分補給を怠りがちですが、脱水状態は血液をドロドロにし、
前述の脳卒中や心筋梗塞のリスクをさらに高めます。
冬場でも意識的な水分補給が欠かせません。

寒さで起こる「低体温症」と「冬バテ」のリスク

低体温症は、寒さにより体温が35℃以下に下がり、意識障害などを引き起こす状態です。
特に高齢者や持病を持つ方は、室内でも発生するリスクがあるため注意が必要です。
体が冷えていると感じたら、すぐに温める行動が必要です。

■ 冬バテ
寒暖差や血行不良、自律神経の乱れから、疲労感、だるさ、肩こり、食欲不振などが続く状態です。
これにより免疫力が低下し、風邪を引きやすくなります。

【関連記事】冷え性の原因とタイプ別対策！今日からできる改善方法をご紹介します

寒い冬を元気に乗り切る！今すぐ始めたい健康習慣

冬の健康リスクは、事前の対策で十分に防ぐことができます。
命を守るための対策と、日々の活力を維持するための生活習慣改善を両立させましょう。

対策1｜安全にお風呂を楽しむための「脱衣所の温度差対策」

ヒートショックを防ぐための最も重要な対策は、「温度差をなくすこと」です。
入浴前に脱衣所や浴室を暖房器具で温め、温度差を小さくしておきましょう。
また、湯船に入る前に、かけ湯を足元から心臓に遠い順に行い、急激な血圧変動を防ぎます。
湯温は42℃以上の熱いお湯は避け、40℃以下のぬるめのお湯にゆっくり浸かるようにしましょう。

対策2｜冬でも無理なくできる運動と食事のコツ

運動: 外出が億劫な時は、踏み台昇降やスクワットなど、
室内でできる下半身の筋トレを毎日短時間でも行い、血流を促しましょう。
下半身の筋肉は「第二の心臓」と呼ばれ、血流改善に不可欠です。

■ 食事
カリウムやDHA・EPAといった血液をサラサラにする効果がある魚介類（サバ、ブリ）や海藻類を積極的に摂り、
血液の健康を守りましょう。また、温かい汁物や鍋料理で、無理なく水分補給と栄養摂取を行います。

まとめ｜冬を健康に乗り切るための、大切な心がけ

冬の健康管理は、「血管と血液を守ること」に尽きます。

まず、命を守る対策として、脱衣所と浴室の温度差をなくし、ヒートショックを防ぐことが最優先です。
次に、血液を守る対策として、こまめな水分補給とカリウム摂取で、血液の粘度が高まる「かくれ脱水」を防ぎましょう。

そして、運動不足を解消し、温かい食事と入浴で低体温症や冬バテを防ぐことが、冬を乗り切るための秘訣です。
これらの心がけを実践し、冬の寒さに負けない、健康で安全な毎日を送りましょう。