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栗の栄養と効能|管理栄養士が教える食べ方と1日の目安

秋になると、スーパーや和菓子屋さんの店先に栗が並びはじめます。ほくほくした甘さは秋ならではの楽しみですが、「栗って栄養はあるの?」「甘いから太りそう」と気になる方も多いのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、栗はビタミンCやビタミンB1、カリウム、食物繊維をバランスよく含む、栄養の面でも優秀な秋の味覚です。ただし主成分はでんぷんなので、おかずやおやつというより「主食に近い食べ物」と考えて量を決めるのがコツです。

この記事の結論

・栗はビタミンC・ビタミンB1・カリウム・食物繊維を含み、ビタミンCは加熱しても残りやすいとされています
・ゆで栗100gのエネルギーはごはん100gとほぼ同じなので、食べる量は主食とのバランスで考えます
・渋皮煮なら渋皮のポリフェノール、栗ご飯ならビタミンB1をごはんと一緒にとれるのが良いところです

栗にはどんな栄養がある?

栗は、ビタミンC、ビタミンB1、カリウム、食物繊維をまとめてとれる食べ物です。

栗とは、ブナ科クリ属の木になる実のことで、食品の分類では種実類(ナッツの仲間)に入ります。ナッツの多くは脂質が中心ですが、栗は脂質が少なく、でんぷんが主成分という点で少し変わった存在です。

栄養素生の栗100gあたり主なはたらき
ビタミンC33mgコラーゲンをつくるのに欠かせない。抗酸化作用
ビタミンB10.21mg糖質をエネルギーに変えるのを助ける
カリウム420mg余分なナトリウム(塩分)の排出を助ける
食物繊維4.2g腸内環境を整え、お通じを助ける
タンニン渋皮に多く含まれるポリフェノールの一種

出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

秋においしい食材は、秋の旬の食材の記事でもまとめています。

栗のビタミンCは加熱しても壊れにくい?

栗のビタミンCは、ゆでたり焼いたりしても比較的残りやすいとされています。

ビタミンCは本来、熱や水に弱い栄養素です。野菜をゆでると、ゆで汁に溶け出したり熱で壊れたりして減ってしまいます。ところが栗のビタミンCは、まわりをでんぷんに包まれているため、加熱による損失が少ないと考えられています。

果物のビタミンCは生で食べないととりにくいものが多いなか、加熱して食べるのが前提の栗でビタミンCがとれるのは、うれしいポイントです。

一方で、砂糖で長時間煮る甘露煮は、ビタミンCが煮汁に流れ出やすく、砂糖の量も多くなります。栄養面で選ぶなら、ゆで栗や焼き栗のようなシンプルな食べ方がおすすめです。

栗の効能として期待できること

栗の効能は、含まれている栄養素のはたらきから考えると分かりやすくなります。

肌のハリを保つコラーゲンは、体の中でつくられるときにビタミンCが必要です。栗のビタミンCは加熱後も残りやすいとされているので、秋の肌の調子が気になる方にとって心強い食材です。

ビタミンB1は、ごはんやいも類などの糖質をエネルギーに変えるときに使われます。不足すると、とった糖質をうまくエネルギーにできず、疲れやすさにつながります。夏の疲れが残りやすい秋に、意識してとりたい栄養素のひとつです。

カリウムは、とりすぎた塩分を体の外に出すのを助けます。食物繊維はお腹の調子を整えます。どちらも、生活習慣病の予防という観点から、日ごろの食事でしっかりとりたい栄養素です。

なお、栗を食べれば肌がきれいになる、疲れがとれる、というものではありません。毎日の食事の中で、秋の旬の食材として上手に取り入れることが大切です。

栗のカロリーは?ごはんとほぼ同じと考えるのが目安

ゆで栗100gのエネルギーは152kcalで、ごはん100g(156kcal)とほぼ同じです。

ゆで栗100gは、中くらいの栗で5個ほど。おやつ感覚でつまんでいると、気づかないうちにごはん軽く1杯分近いエネルギーをとっていることになります。

食べ物(100gあたり)エネルギー
ゆで栗(中くらいのもの5個ほど)152kcal
ごはん(精白米)156kcal

栗が「主食に近い」と言われるのはこのためです。栗を多めに食べた日は、ごはんの量を少し控えるなど、1日のなかで調整してみてください。

栗の食べ過ぎに注意。1日の目安は?

おやつとして食べるなら、ゆで栗で5〜6個ほどを目安にするとよいでしょう。

厚生労働省と農林水産省がまとめた「食事バランスガイド」では、菓子や嗜好飲料は1日200kcal程度を目安に楽しむよう示されています。ゆで栗に置き換えると130g前後、中くらいの栗で6個ほどです。

食べ過ぎると、エネルギーのとり過ぎになるだけでなく、食物繊維が多いためにお腹が張ったり、ゆるくなったりすることもあります。おいしいからこそ、量を決めて楽しみましょう。

栗ご飯と渋皮煮、栄養を活かす食べ方

栗の栄養を活かすなら、渋皮ごと食べられる渋皮煮と、ごはんと一緒にとれる栗ご飯がおすすめです。

渋皮煮は、渋皮のポリフェノールまでとれる

栗の渋皮には、ポリフェノールの一種であるタンニンが多く含まれています。ふだんは捨ててしまう部分ですが、渋皮煮にすれば渋皮ごと食べられます。ただし砂糖をたっぷり使うので、1回に2〜3個ほどにとどめておくと安心です。

栗ご飯は、ビタミンB1がごはんの糖質の代謝をサポート

栗に含まれるビタミンB1は、ごはんの糖質をエネルギーに変えるのを助けます。季節を感じられる主食としてもおすすめです。栗が入る分、ごはんの量はいつもより少し控えめにすると、エネルギーのとり過ぎを防げます。

食べ方良いところ気をつけたいこと
ゆで栗・焼き栗砂糖を使わず、ビタミンCも残りやすいつまみすぎに注意
栗ご飯ビタミンB1をごはんと一緒にとれるごはんの量を少し控える
渋皮煮渋皮のタンニンまでとれる砂糖が多いので少量で
甘露煮・マロングラッセ手軽に楽しめる砂糖が多く、ビタミンCも減りやすい

よくある質問

栗は太りやすいですか?

栗そのものが特別に太りやすいわけではありません。ゆで栗100gでごはん軽く1杯と同じくらいのエネルギーがあるので、食べた量に応じて主食やおやつを調整すれば心配はいりません。

栗は1日に何個まで食べていいですか?

おやつとしてなら、ゆで栗で5〜6個ほどが目安です。栗ご飯を食べる日は、おやつの栗を控えめにするとバランスがとれます。

天津甘栗と日本の栗は違いますか?

天津甘栗は、中国ぐりという品種を小石と一緒に焼いたものです。日本の栗より小ぶりで、渋皮がむきやすいのが特徴です。焼いて水分が抜けている分、同じ重さならゆで栗よりエネルギーは高めになります。

渋皮は食べても大丈夫ですか?

渋皮煮のように下ゆでやアク抜きをすれば、おいしく食べられます。生の渋皮は渋みが強く、そのまま食べるのには向きません。

栗のビタミンCはどのくらいとれますか?

生の栗100gに含まれるビタミンCは33mgで、みかんとほぼ同じくらいです。加熱しても残りやすいとされているのが、栗ならではの特徴です。

まとめ

栗は、ビタミンC、ビタミンB1、カリウム、食物繊維をバランスよく含む秋の味覚です。とくにビタミンCが加熱しても残りやすいとされる点は、ほかの果物にはない栗の良さです。

一方で、ゆで栗100gはごはん100gとほぼ同じエネルギーがあります。「主食に近い食べ物」と考えて、おやつなら5〜6個、栗ご飯の日はごはんを少し控えめに、というように量を調整しながら楽しんでください。

秋は、夏の疲れが残りやすい季節でもあります。秋の不調と食事の関係は、秋バテの記事で詳しくまとめていますので、あわせてご覧ください。

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