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2025.09.08

和菓子職人の信念|なぜ清香は化学合成物を使わないのか?本物を届ける覚悟

今回のサルーテラジオでは、一宮市で化学合成物を一切使わずに和菓子作りにこだわり続ける「餅菓匠 清香」の新井さんにお話を伺いました。嶋内さんと墨先生が、新井さんの職人としての信念と、本物の味を追求する姿勢について深く掘り下げています。

初めての食感に感動

番組の冒頭で、嶋内さんが前回食べた白餅といちご餅について「初めて食べる食感」「口で溶けていく感じ」と表現したように、清香の和菓子は一般的なものとは明らかに異なる特別な食感を持っています。特にいちご餅では、イチゴの繊維まで感じられるほど素材の良さが活かされているのが印象的でした。

心を休める上質な時間

墨先生が指摘するように、忙しい日常の中で私たちは「コンビニで何気なく甘いものを買って口に入れるだけ」になってしまいがちです。しかし、本当に上質な和菓子を味わう時間は、心をリラックスさせる大切なひとときになります。清香の和菓子は、まさにそうした特別な時間を提供してくれる存在なのです。

餅だけに特化した理由

新井さんが和菓子の中でも「餅」だけに特化したのには明確な理由があります。

「化学合成物を使わずにできるものって何かと考えた時に、自分の中では餅だなと思った」

この言葉からは、化学合成物を使わないという信念を貫くために、あえて選択肢を絞り込んだ職人の覚悟が伝わってきます。

健康寿命への貢献

新井さんがお店を始めた背景には、日本の超高齢化社会への問題意識がありました。平均寿命は男性約82歳、女性約89歳と世界トップクラスですが、健康寿命は74歳(2019年調査)。この差の期間、多くの人が寝たきりの状態になってしまう現実があります。

「健康寿命に少しでも貢献できる部分があるのではないか。化学合成物を一切使用せず、素材を活かして美味しい商品を作ることができれば、健康に少しでもプラスになれるのではないか」

この想いが、清香の商品作りの根幹にあります。

化学合成物を使わない苦労

化学合成物を使う主な目的は「日持ちをさせること」です。これを使わないということは:

  • 品質管理が非常に大変になる
  • 高い技術レベルが必要になる
  • 誰にでもできるものではなくなる

新井さんは砂糖の使用量を調整したり、製造技術を向上させることで、化学合成物に頼らない商品作りを実現しています。清香の和菓子は翌日まで美味しく食べられるよう、絶妙な配合で作られています。

こだわりの原材料

餅米への徹底したこだわり

清香では玄米の状態で米を仕入れ、自分たちで加工しています。これは一般的なメーカーではやりにくいことを、あえて選択した結果です。

JAに相談した際、「石抜きをする時に合わせて精米もしてしまうから、精米したものしか分けることができない」と断られた経験を経て、滋賀県の農家さんと直接取引することになりました。

使用している「羽二重餅」という品種は、柔らかさと伸びと腰の感じのバランスが絶妙で、「品種が違うと同じものはできない。品種があってこその食感」と新井さんは語ります。

あんこへのこだわり

粒あんにこだわる理由は「小豆の風味をより感じることができるから」。 使用している小豆は:

  • 一般的な普通小豆
  • ダイナゴンという品種

この2種類をブレンドすることで、粒々感が残る理想的な食感を実現しています。

地域に愛され続ける店を目指して

新井さんの今後の目標は、大きな店や売上を伸ばすことではありません。

「いかに残り続けられるか、この一宮の町に必要とされるお店になるように目指していけたらなと思っています」

この言葉には、地域に根ざした職人として、本物の味を守り続けていく強い意志が込められています。

まとめ

餅菓匠 清香の新井さんのお話からは、化学合成物に頼らない和菓子作りの大変さと、それでも本物を作り続ける職人の誇りが伝わってきました。効率や利益を追求するのではなく、お客様の健康と満足を第一に考える姿勢は、現代の食品業界において非常に貴重な存在だと感じます。

一宮駅東口から歩いてすぐの場所で、今日も新井さんは心を込めて和菓子を作り続けています。忙しい日常の中で、ほんの少し立ち止まって本物の味を楽しむ時間を持ってみてはいかがでしょうか。


サルーテラジオは毎週、皆様の健康で豊かな生活をサポートする情報をお届けしています。次回もお楽しみに。