Men’s hair Always 代表・岩田亮さんインタビュー|生きていく上でのヒントを探る
「理容室は髪を切るだけでなく、心を癒したり、自分自身をリセットしてニュートラルなポイントに戻れる場所なんです」
愛知県一宮市で男性専用の完全個室サロン「Men’s hair Always」を営む岩田亮さん。東海北陸大会優勝・全国大会出場という輝かしい経歴を持ちながらも、競技で培った技術と精神力を「すべてお客様への還元」と語る岩田さん。今回は、サルーテの理念であるウェルネス・ウェルビーイングの観点から、岩田さんのものづくりへの想いや、髪と心の健康についての考え方をお聞きしました。

祖父母の背中を見て育った、理容師一家の三代目
岩田さんが理容師を目指したのは、自然な流れでもあり、同時に深い気づきがあってのことでした。
「祖父母が理容師で、親戚にも理容店が2件あります。いわゆる床屋さんの一家というか、そういった環境で育ちました」
最初は親のお店を継いで、親を楽にしてあげようという気持ちだったと言います。しかし理容の世界に触れていく中で、岩田さんの気持ちは少しずつ変化していきました。
「男性の髪の悩みをいろいろと知るうちに、なんか僕にしかできないことがあるんじゃないかなって。自分がお客様たちを笑顔にできるんじゃないかと思うようになって、どんどんやっていこうと思ったんです」
家業を継ぐというところからスタートしながら、「自分にしかできること」を見つけていった岩田さん。その想いが、Men’s hair Alwaysというサロンの形に結実しています。

男性が「言い出せない悩み」を話せる場所
Men’s hair Alwaysが男性専用・完全個室にこだわるのには、明確な理由があります。
「男性って、髪の悩みを抱えている方がすごく多いんです。薄毛のことや頭皮のことでも、オープンなスペースで技術者に相談するのってちょっと恥ずかしかったりする。仕切りがあれば、声は聞こえていても相談しやすいですよね」
プライベートな空間だからこそ、お客様は本音を話しやすくなる。さらに岩田さんが大切にしているのが、お客様が言葉にしない悩みに気づくことです。
「男性は髪の悩みを言い出せないことが多い。めんどくさくて伝えないこともある。だからこちら側からお客様をよく観察して、『もしかしたらこういうところが気になっていますか?』と深掘りしながら、本当の満足を引き出せるようにしています」
聞くだけでなく、見て、察して、寄り添う。その積み重ねが、Men’s hair Alwaysに通い続けるお客様との長い関係を育んでいます。

コンテスト優勝が教えてくれた「技術力と精神力」
東海北陸大会優勝、全国大会出場——岩田さんの経歴には、競技の世界での実績が刻まれています。しかしその経験から得たものを、岩田さんはシンプルな言葉で表現します。
「先輩や後輩たちと一緒に練習して技術を磨き合うことで、自分の最大限の技術力をアップできました。それと同時に、精神力も養われました」
そしてその技術力と精神力は、競技のためだけのものではありません。
「技術力と精神力は、基本的に営業でお客様に還元されるものです。すべてがお客様にとってプラスになっていると感じています」
コンテストで磨き抜いた力を、日々のお客様への施術に注ぎ込む。華やかな受賞歴の裏にある、そのひたむきな姿勢が岩田さんの仕事の根っこにあります。
「土が健康じゃないと、作物は育たない」——頭皮から変える、独自のスカルプケア
Men’s hair Alwaysが力を入れているのが、独自のスカルプケアとヘッドスパです。髪だけでなく、頭皮まで見ようと思った理由を尋ねると、岩田さんは印象的なたとえを使って答えてくれました。
「農業に例えると、髪の毛は作物で、頭皮は土なんです。土がしっかりしていないと、作物は育ち続けられない。今だけ髪に手を加えるんじゃなくて、土から改善することで、20年・30年、一生楽しく髪型を楽しめる環境を作り出すことの方が、理容師としての大切な使命なんじゃないかと思っています」
この「土を大切にする」という発想から生まれたスカルプケアは、お客様から大きな反響を得ています。ヘッドスパが終わった後、みなさん少し無言になるんだそうです。
「気持ちよくて寝てしまう方もいますし、ふわふわとされていることが多い。普段の疲れが癒されて、本当に頑張れるわという声もいただきます。凝っていた方が楽になったと喜んでくださることも多いですね」

受験、結婚式——人生の節目に寄り添う仕事
理容師という仕事の醍醐味を語る岩田さんの言葉に、胸が熱くなりました。
「理容業はお客様と長いお付き合いをさせていただく中で、その方の人生のフェーズがどんどん上がっていくのを一緒に見ていけるんです」
中学生だったお客様が受験を迎え、面接のために髪を整えに来て、後日「Men’s hair Alwaysのおかげで合格できました」と報告してくれた時のこと。また、結婚式でいい写真が撮れた、奥さんが喜んでくれたという声をいただいた時のこと。
「そういった感謝の気持ちをお客様の言葉からいただいた時、本当にいい仕事だなと思います」
髪を切るという行為が、人生の大切な場面と結びついている。その事実が、岩田さんの仕事への誇りを支えています。

髪を切ることは、心の切り替えでもある
髪が整うと、気持ちや毎日の生き方にも影響があると感じますか?という問いに、岩田さんはこう答えてくれました。
「あると思います。髪の毛を切るというのは、たださっぱりするという側面だけではなくて、心の切り替えだったり、新たな挑戦への前触れだったりもする。髪というのは、人生における分岐点やターニングポイントになることもあるんです」
サロンに来ることが、気持ちのリセットになる。その感覚を持ちながら日々に取り組むと、非常にポジティブになれると岩田さんは言います。
「理容室は髪を切るだけでなく、心を癒したり、自分自身をリセットしてニュートラルなポイントに戻れる場所。そういった価値を感じながら、行きたいなという気持ちを持って仕事や普段のことに取り組むと、毎日がポジティブになっていくと思います」

ウェルビーイングな生き方のヒント
岩田さんとの対話を通して見えてきたのは、日々の暮らしの中の小さなケアが、心と体の健康につながるというシンプルな真実でした。
- 言えない悩みを察してもらえる環境を持つ:自分から言葉にしなくても、寄り添ってくれる存在が心の余裕を生む。
- 根っこから整える:表面だけでなく、土台から手をかけることで長く健やかでいられる。
- 人生の節目に自分を整える:大切な場面の前に体と心を整えることが、自信と前向きさにつながる。
- リセットできる場所を持つ:ニュートラルに戻れる時間と場所が、日々のポジティブな原動力になる。
- 「自分にしかできないこと」を問い続ける:誰かのために始めたことが、やがて自分の使命に変わっていく。
「お客様を笑顔にしたい」という原点を胸に、髪と頭皮と心まで丁寧にケアする場所を作り上げてきた岩田さん。その姿勢は、私たちが自分自身のケアと向き合うための、大切なヒントに満ちています。

岩田亮さん(Men’s hair Always 代表) 愛知県一宮市で男性専用の完全個室サロン「Men’s hair Always」を経営。理容師歴16年、東海北陸大会優勝・全国大会出場の経歴を持つ。愛知県理容組合の教育講師・セミナー講師も務め、業界全体の技術向上にも貢献。タブレットを使ったデジタルカウンセリングと独自のスカルプケアで、髪と頭皮の両面からお客様をサポートしている。
店舗情報 Men’s hair Always
- 所在地:愛知県一宮市開明新田沼28-1
- 営業時間:9:00〜22:00
- 定休日:毎週火・木曜日(月曜は不定休)
- 公式サイト:https://mens-hair-always.com/

