芸人という生き方とは|お笑い芸人・いわしてんぐさんに聞く【サルーテラジオ第32回】

サルーテラジオは、一宮市で健康増進に活躍する方をゲストに招き、お話を伺う番組です。パーソナリティは、サルーテ代表の嶋内が務めている。
第32回のゲストは、お笑い芸人のいわしてんぐさん。前回の収録後、スタジオ外の休憩室での雑談の中で「一宮出身のお笑い芸人が活動している」という話を耳にしたことがきっかけで、今回の出演が実現したという。身近に芸人の話を直接聞く機会はなかなかないとのことで、今回はいわしてんぐさんのこれまでの歩みを中心に話が進められた。
「芸人」という職業の境界線

まず話題になったのは、「芸人」を職業として名乗るタイミングについて。いわしてんぐさんによると、ある程度年数を重ねて自信がついてきた人がプロフィールに「芸人」と書くことが多く、まだ自信のない1〜2年目の人はあえて伏せることも少なくないという。
また、どこからが「所属」といえるのかという線引きも難しいそうだ。かつては大阪の劇場に立てるかどうかが所属のひとつの目安になっていたというが、そこに立てない人が芸人ではないというわけでもなく、「芸ですと言った人が芸人」という考え方が昔から根付いているとのことだった。
吉本興業での20年とフリーへの転身

いわしてんぐさんは20年間、吉本興業に所属し、その後フリーとなり現在は3年目を迎えているという。所属していた当時は契約書というより口頭での取り決めから始まり、後年になって書面が整備されるようになったそうだ。
フリーへの転身を決めたのは、当時のコンビが事務所のライブやM-1グランプリで結果を残せず、相方との関係もぎくしゃくしていた時期だったという。ちょうど東京の賃貸契約の更新時期とも重なり、相方と話し合った結果、コンビを解散することになったそうだ。同じタイミングで、地元の愛知に戻って両親のそばで過ごしたいという思いも重なり、20年の節目で愛知に戻ることを決めたとのことだった。愛知に戻った際は一度名古屋の吉本に1ヶ月だけ籍を置いたのち、フリーとして活動することになったという。
所属していた時期は、事務所を通さずに友人のライブなどに無償で出演することができなかったといい、地元のライブに出たくても出られないもどかしさがあったそうだ。フリーになったことで、そうした枠組みにとらわれずに活動できるようになったと振り返っていた。
現在の活動:ラジオと温泉施設での司会

現在の活動のひとつが、奈良県のラジオ局でのレギュラー番組だという。かつて4年間コンビを組んでいた元相方が奈良県に移住してラジオ局員となり、夕方5時から7時までの時間帯を担当できるパーソナリティを探していたところ、フリーで身動きが取りやすい立場だったいわし天狗さんに声がかかったとのことだった。
もうひとつの活動が、三重県伊賀市の島ヶ原温泉「やぶっちゃの湯」での仕事だという。フリーになった先輩芸人からの誘いで、毎週日曜日にビンゴ大会の司会とネタ披露を担当しているそうだ。ピン芸人として活動していた期間が長かったこともあり、進行役としての経験が生きているとのことだった。
ブログ「いわしてんぐの岐阜飯」

もうひとつ紹介されたのが、岐阜のグルメを紹介するブログ「いわしてんぐの岐阜飯」だという。もともとは東京でアルバイトをしていたクリニックの院長と立ち上げた「いわし天狗の中野飯」という企画がルーツで、患者に向けて中野のグルメを紹介していたことがきっかけだったそうだ。東京を離れる際にこの企画の続行を相談したところ、地元に近い岐阜で継続することになったという。
岐阜を選んだ理由については、岐阜での学会をきっかけに知り合った医師たちとの縁や、愛知はすでにグルメ情報が多く飽和している一方で、岐阜はよりコアな情報として発信しやすいと感じたことが挙げられていた。愛知に戻ってから3年目を迎えるこのブログでは、同じ店を再訪しない「2巡目をしない」ことを意識しながら続けているとのことだった。
今年、子どもの中学受験が一区切りついたことで時間に余裕ができ、これまで以上にさまざまな経験を積んでいきたいと話していた。
お笑い芸人を志したきっかけ
お笑い芸人を意識し始めたのは高校生の頃だという。学園祭でのダンス披露が人前でパフォーマンスをする最初の経験となり、その後、東京の劇団が稲沢市で行っていた1年間のワークショップにオーディションで合格。コメディ色の強い舞台を経験したことが、名古屋の吉本興業を目指すきっかけになったそうだ。時間をかけてネタを作り上げ、発表する過程が今でも好きだと語っていた。
「レンタルちょっとしたい人」という取り組み
フリーになった当初には、「レンタルちょっとしたい人」というサービスも行っていたという。花見の場所取りや列に並ぶ代行など、ちょっとした頼まれごとを交通費や実費のみで引き受けるという内容で、話題の「レンタルなんもしない人」から着想を得たものだそうだ。最初に依頼が来たのは、観光ガイドの練習相手をしてほしいという、愛知県岩倉市在住の女性からの依頼だったという。
まとめ

いわしてんぐさんは、吉本興業での20年間の経験を経てフリーに転身し、現在はラジオのパーソナリティや温泉施設での司会業、グルメブログの運営など、フリーだからこそできる幅広い活動を続けているという。地元・一宮とのつながりを大切にしながら活動を広げる姿からは、枠にとらわれない芸人としての生き方が伝わってくる内容だった。
それでは今週も皆様が健康であることを祈って、また来週もよろしくお願いいたします。

