2026.05.29

森整形外科 院長・松村先生インタビュー|生きていく上でのヒントを探る

「健康とは、単に病気がない状態ではありません。その人が前向きに毎日を過ごせること——それが本当の健康だと思っています」

愛知県一宮市で「森整形外科」を営む松村先生。腰痛や膝の痛み、骨粗しょう症など幅広く診療しながら、リハビリスタッフ16名体制や栄養指導など、痛みを取るだけにとどまらない医療を実践されています。今回は、サルーテの理念であるウェルネス・ウェルビーイングの観点から、松村先生が大切にしている健康への考え方や、患者さんへの想いについてお話を伺いました。

「その人の人生を支える医療」に魅力を感じた

一宮市の森整形外科

整形外科を選んだ理由を尋ねると、松村先生はこう答えてくれました。

「整形外科って、命を救う医療というより、『その人の人生を支える医療』だと思っていて、そこに魅力を感じました。歩けるかどうか、動けるかどうかって、その人の毎日の楽しみや、生きがいにすごく関わるんですよね」

痛みが減って「また旅行に行けました」「仕事に戻れました」と言っていただける瞬間に、整形外科の大きな価値を感じると話す松村先生。病気を治すだけでなく、その先にあるその人らしい生活を取り戻すこと——それが、森整形外科の医療の根幹にあります。

クリニックの理念は「いつまでも自分の足で歩くために」。この言葉は、単なるスローガンではなく、日々の診療のあらゆる場面に息づいています。

先代から受け継いだ想いと、今の時代への責任

森整形外科は、松村先生の義父である先代院長・森龍太郎先生が1990年に開業し、今年で36年を迎えるクリニックです。その継承には、大きなプレッシャーと覚悟がありました。

「正直、責任の大きさはすごく感じました。長く地域の皆さんに支えられてきたクリニックですし、先代が築いてきた信頼もあるので、それを自分が引き継ぐというプレッシャーはありました」

それでも、「この場所をこれから先につないでいきたい」という気持ちが松村先生を動かしました。受け継いだ想いを大切にしながら、今の時代に合った形で健康を支えていく——その決意が、現在のクリニックの姿につながっています。

「まだできることはありますよ」——年齢のせいで終わらせない

診察室でよく飛び出す言葉があります。「これって、歳のせいですか?」

「すごくよく聞かれます。もちろん年齢の影響があることはありますが、”もう歳だから仕方ないですね”で終わらせないことを大切にしています」

今より少しでも楽になる方法、これ以上悪くしない方法は、多くの場合あると松村先生は言います。だからこそ、「まだできることはありますよ」という言葉を伝えることを大切にしています。

印象に残っているのは、「また旅行に行けるようになりました」と言っていただいた時のこと。

「整形外科って、痛みを取ることが目的になりがちなんですが、本当に大切なのは、その先の生活なんですよね。その方が”また外に出られるようになった”とか、”趣味を再開できた”と言ってくださると、やっぱりうれしいですね」

痛みの先にある「その人らしい生活」を取り戻すこと。それが、松村先生の診療の目指すところです。

森整形外科 松村先生

健康は「育てるもの」——リハビリと栄養で体全体を整える

森整形外科が力を入れているのが、リハビリです。スタッフは16名体制と、整形外科としては異例の規模。その理由を松村先生はこう語ります。

「痛みって、薬や注射だけでは根本的に解決しないことも多いんですね。体の使い方や筋力、生活習慣まで含めて見ていくことが大切なので、リハビリには特に力を入れています」

さらに特徴的なのが、管理栄養士と連携した栄養指導です。整形外科で栄養を見るというのは、まだ珍しい取り組みです。

「体って、運動だけでは作られないんですよね。筋肉や骨も、もともとは食べたものでできていますし、炎症や疲労にも栄養は大きく関わっています。”痛みがある場所だけを見る”のではなく、体全体を整えていくことが、本当の意味での健康につながると思っています」

松村先生が考える「本当の健康」とは、病気がないことではありません。自分の足で出かけられること、好きなことができること、会いたい人に会いに行けること——そういう「その人らしい生活」ができる状態のこと。そして健康は、日々の運動や栄養、睡眠の積み重ねの中で「育てていくもの」だと言います。

森整形外科 リハビリ室

骨粗しょう症は「悪くなる前に守る」

寝たきりの原因として見逃せないのが、骨粗しょう症です。自覚症状がほとんどないまま進行するため、「自分は大丈夫」と思っている方が多いのが現状です。

「特に女性は、閉経を迎える50代頃から骨密度が下がりやすくなるので、その頃から一度検査を受けていただくのがおすすめです。骨は、一度大きく減ってしまうと戻すのが大変なので、”悪くなってから”ではなく、”悪くなる前に守る”という考え方がとても大切だと思っています」

早めに状態を知ることで、防げること、楽になることはたくさんある。この言葉には、長年にわたって多くの患者さんと向き合ってきた松村先生の実感が込められています。

骨密度

「幸せの波紋を広げましょう」——スタッフの健康も医療の質につながる

森整形外科の社是は、「幸せの波紋を広げましょう」という言葉です。

「患者さんに良い医療を届けるためには、まず自分たち自身が健康で、前向きに働けることが大切だと思っています。スタッフみんなで健康について学ぶ時間をつくったり、栄養や運動について取り組んだり、”働く人自身が健康になれる職場”を目指しています」

そうした職場の空気や積み重ねが、患者さんへの関わり方や医療の質につながっていく——。患者さんだけでなく、そこで働くスタッフの健康まで視野に入れた松村先生の考え方は、クリニックという枠を超えた「健康を育む組織」としての姿を体現しています。

ウェルビーイングな生き方のヒント

松村先生との対話を通して見えてきたのは、体の健康を長く保つためのシンプルだけれど深い原則でした。

  • 「年のせい」で終わらせない:年齢を理由に諦めるのではなく、今できることに目を向ける。
  • 健康は育てるもの:病気がないことに安心せず、運動・栄養・睡眠の積み重ねを大切に。
  • 早めに知ることが守ること:骨粗しょう症をはじめ、自覚症状のない変化こそ早期確認を。
  • 痛みの先にある生活を見る:治療のゴールは「痛みがなくなること」ではなく、「その人らしい生活を取り戻すこと」。
  • 体全体を整える視点を持つ:運動だけでなく、栄養・リハビリ・生活習慣まで含めて体を整える。

「歳を重ねても、やりたいことをあきらめなくていい、そんな毎日を支えていけたらうれしいです」——松村先生のこの言葉は、整形外科という場所を超えて、私たちが人生を前向きに歩いていくための大切なメッセージです。


松村先生(森整形外科 院長)
愛知県一宮市で「森整形外科」を営む院長。整形外科・リハビリを中心に、腰痛・膝の痛み・骨粗しょう症など幅広く診療。リハビリスタッフ16名体制や管理栄養士との連携による栄養指導など、痛みを取るだけにとどまらない予防・健康づくりの医療を実践している。クリニックの理念は「いつまでも自分の足で歩くために」。

クリニック情報

森整形外科

  • 所在地:愛知県一宮市
  • 診療内容:整形外科・リハビリテーション・骨粗しょう症・栄養指導 など
  • https://hone-kenkou.com/